リンゴのない、リンゴパン
スーパーで会計した時にレジの隣で割引されて売られていた「蘋果麵包」(りんごパン)。
気になったので、買ってみたところ、素朴でやや甘めなパンで、りんごっぽさは全くありませんでした。
原材料表示を確認しても、りんごの文字はありませんでした。
1959年に劉哲基という陸軍少校が退役した時にカナダ人博士の提案で製パン業を起こし、駐留米軍にパンを納めていました。しかし1978年にアメリカとの国交が断絶したことで、米軍が撤退し、経営も苦境に陥り、内需向けに販売を拡大する必要が出てきました。
その際に高級品のシンボルだったりんごにあやかり、「蘋果麵包」と命名したそうです。
またちょうど「蘋果西打」(アップルサイダー)のCMが好評を博していたこともあり、それに便乗した面もあるようです。
ちなみにこの蘋果麵包は食料品店の他、小中学校の福利社(校内売店)でも売られているので、台湾人にとって共通の子供のころの懐かしい食べ物となっています。
日本人にとって、たまごボーロみたいなものでしょうか。
台湾人の思い出の味を一口、どうでしょうか。