餃子は主食?

ラーメンに餃子

日本人にはおなじみのこの組み合わせは中華圏の人間にとって不思議な組み合わせに映るようです。

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初めて中国へ行った際に、水餃子と一緒にご飯を頼んだら、一緒にいた友人からご飯も頼むなんておかしいと言われ、大きなカルチャーショックを受けたのを覚えています。

日本人にとって、餃子はおかずでしかありませんが、中華圏の人間にとっては立派な主食として認識しているようです。

私の注文は、友人から見れば、恐らくご飯とパンを一緒に頼んでいるようなものと映ったでしょう。

 

中華圏の人間に言わせると、そこに餃子や饅頭(マントウ)なども主食としてカテゴライズされるようです。

 

このような主食のカテゴライズの基準はどこにあるのか。

 

恐らくですが、炭水化物の比率が大きく関わっているのではないかと考えます。

 

日本人がイメージする主食はご飯(米)やパン、麺類など、炭水化物の塊と言えるものを基本的に主食として認識しているようです。

 

その好例がパンの捉え方でしょう。

中身のないパンは主食用として捉えられますが、ウインナーロールやアンパンなど、素材を組み込んだり、中に餡を包んだりすると、調理パンや菓子パンとして分類され、主食の地位は薄まるように思います。

 

他方で中華圏の食文化体系を俯瞰すると、主要原材料・成分が炭水化物であれば主食として認識するようです。

以前にもご紹介した台湾の伝統的な朝食店でもある豆乳店のメニューを見ると、それがよく分かります。

包子(肉包、菜包)餃子、蛋餅燒餅油條など、そのラインナップはバラエティー豊かですが、肉包(肉まん)や蛋餅(中華クレープ)など、日本人には恐らく主食として認識されないであろう食品も朝食として売られています。

 

なおいずれも共通する例外があり、ホットケーキなど甘みのあるものは菓子類として厳然に別カテゴリーのものと認識されるようです。

甘味、つまり糖分は即エネルギー源となることから、味覚体系において、文明以前より別格として地位が与えられていることが大きく影響していると思われます。

(そういえば「甘いものは別腹」という発想もこのような味覚体系の位置づけから出ているかもしれません)

 

食品の炭水化物比率によって、どうカテゴライズされるか。

そこに双方の主食に対する認識構造が浮かび上がってくるように思います。