正しき港に本物あり
あるベテラン女優さんのプロフィールを見ていたら、「正港」という字が出てきました。
教育部の「臺灣閩南語常用詞辭典」では、こう説明されています。
指正宗道地的,非冒名的。
(正真正銘の本物、偽物ではないということを指す)
すなわち「本物」という意味とのこと。
1683年に清朝が台湾を領有化した後、中台間の交易を行うことができる港を公式に定め、検査、課税をしました。
恐らく明朝以来の海禁政策の一環でしょうが、このように公式に認定された港のことを「正口」または「正港」と言われていました。
海上交通が今ほど発達しておらず、海禁政策により交易が制限されていた中では、交易品は必然的に高級品となったため、密輸品も出回りました。そのため指定の交易港から輸入された交易品は正規の交易品ということで、「正港的」と言われるようになりました。
その意味、用法が拡大され、本物、正統、正真正銘という意味に転じていきました。
「言葉にも歴史あり」ということでしょうか。
【参考】