寿司米から

台湾のスーパーをのぞくと、「壽司米」なるお米が売られています。

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調べてみると、寿司を作るのに適したお米のことを指しているようなのですが、台梗9號という品種のお米も指しているようです。

 

この台梗9は台湾が経済成長を遂げ、米消費量が減少に転じた際に、高品質米の作出を目的に許志聖博士により台農2414號とコシヒカリをガンマ線に充てて突然変異させた北陸100号を交配させてできた品種です。

 

弾力や粘り気があり、食味や品質もいいため、高級寿司に適していることもあり、寿司米と呼ばれるようになったようです。冷めても食味を保つことから、寿司に限らず、チャーハンや弁当にも適しているとされています。

 

高品質の米が生産されるブランド米作地である台東県の池上で2004年に行われた品評会では最優秀に輝いたことなどから、台湾で最も美味な優良米として認識されています。

しかしここからが台湾社会特有の現象ですが、コンビニのおにぎりの宣伝で「台梗9號使用」を謳ったことから、それを商機ととらえてか、台梗9號米が広く売られるようになりました。

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しかしサンプル検査をしてみると、他品種がかなりの比率で混入しているなど、台梗9號米とは名ばかりの商品が市場に並び、問題となりました。販売業者は精米や包装の過程で、混入や誤認などがあり、結果として台梗9號米の比率が低い米が販売されたとしています。

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しかし当時の資料によると、作付面積比較で、2012年第2期では3.39%で第6位、翌2013年第1期では2.96%で第7位と全体的には台梗9號の生産量は多くありません。

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しかしコンビニの宣伝を契機に台梗9號の流通量が増えたのは、販売業者が単価を高くしたり、売れ行きをよくしたりすることを狙って、表示偽装したと疑われています。

 

金のなる木には積極的に取りに行く。

そんな台湾人の性格がこの寿司米こと、台梗9號の流通状況から見えてきます。