鬼に虎

虎口、為虎添翼など、中国語では「虎」の字を見かけることが多いです。
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その意味を『新編國語日報辭典』で確認してみると、次の通り説明がありました。

*例示の翻訳は省略しています。

 

(一)猛獸,形狀像貓,只是不會爬樹。全身黃褐色,有黑色條紋,力大凶殘,食小獸或人類。平常說「老虎」。(猛獣、形態は猫に似るが、木には登れない。全身は黄褐色で、黒い縞があり、力が強く凶暴で、小さい動物や人間を食す。通常は「老虎」と言う)

(二)比威猛。如「虎將」「發虎威」。(勇猛さの比喩)

(三)比危險的地方。如「虎口餘生」「虎穴」。(危険な場所の比喩)

(四)見「虎虎」。(「虎虎」を見よ)

   →形容精神充沛的樣子。如「虎虎有生氣」。(活力が満ち溢れている様子)

(五)姓。(姓)

 

街中では(二)や(三)のような超人的な力や脅威などを例える場合に使われているように思います。

 

「虎」の使われ方を考えているうちに、ふとある種人知を超えた特別な存在として使われることが多いことに気づいたのですが、日本語の感覚では「鬼」に近いのかもしれません。

虎を鬼に置き換える翻訳することができる場合があります。

例えば先ほど紹介した「為虎添翼」は虎に翼を与えるという直訳ですが、すっきりした訳では「鬼に金棒」と訳せます。

ただ日本語における鬼と違う点は、単なる恐怖の存在ではなく、畏怖の対象・象徴として認識されている点でしょうか。

 

ちなみに鬼のパンツは虎の皮。

これは偶然でしょうか。