茶化してはいけない烏龍

12日の午後に急に飛び込んできた、遠東航空の運航停止のニュース。
そのニュースをウォッチしていたところ、出てきた「烏龍」の文字。

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「烏龍」といえば、真っ先に思いつくのは黒い龍の形から名付けられた烏龍茶。
続いてうどんの音訳である烏龍麵、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の台湾語訳の烏龍派出所。

 

烏龍はいろいろな使われ方をしていますが、「教育部重編國語辭典修訂本」では次のように説明されています。

 

①黑色的龍。清.袁枚《子不語.卷一一.風水客》:「公面純黑,頸以下白如雪,相傳烏龍轉世。」
②晉朝時,民俗以「龍」字做為家犬的命名。後世則以烏龍泛指犬。唐.白居易〈和夢遊春詩一百韻〉:「烏龍臥不驚,青鳥飛相逐。」宋.柳永〈玉樓春.聞風歧路連銀闕〉詞:「烏龍未睡定驚猜,鸚武能言防漏泄。」
③泛指出乎意料之外的錯誤或失誤。如:「今天的籃球賽,竟然有球員誤投籃框,真是太烏龍了!」

 

出典:教育部重編國語辭典修訂本

 

ニュースのタイトルに出てきた「烏龍」はどうも③の想定外のミス、失敗のことを指しているようです。

 

もともと黒い龍を意味する「烏龍」がミスや失敗を表すようになったのか。

 

いろいろ聞いてみたところ、どうも広東地方の民間伝承に由来しているようで、概ね次のように言われています。

 

旱魃が続いた時、人々は天が青龍を遣わして恵み(の雨)をもたらし、万物を潤すよう祈っていたところ、青龍ではなく、烏龍(黒龍)が現れ、暴風雨や洪水をもたらし、逆に災いを招いてしまったという

 

黒龍は災厄をもたらす厄介な存在として描かれていますから、ここからミスをする、でたらめなことをするなどの訳が出てきたようです。

”烏龍”的由來? | Yahoo奇摩知識+

自擺烏龍:“自擺烏龍”是烏龍球的成語說法,它源於廣東的一個民間傳說:久旱 -百科知識中文網

https://kknews.cc/zh-tw/news/3nmnbq8.html

 

ちなみに「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の台湾語訳である「烏龍派出所」。

これはミスなどの意味から派生し、訳の分からない騒ぎが起こる派出所という作品の骨子を押さえた訳のようです。

正に名訳!

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