台湾茶、なぜうまい

台湾みやげとして人気の台湾茶。

専門店では、凍頂烏龍茶や東方美人茶など、いろんなお茶が並びます。

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台湾茶がなぜ美味なのか。

その美味たる理由については高温多雨の気候や高山での栽培などが紹介されることが多いですが、植物学的にはもっと違った見方ができるようです。

 

以下、茶の鑑定クラスでの講義の内容を基にその理由をご紹介します。

 

・緯度的に原産地の緯度に近い

チャの原産地は中国の雲南省と言われていますが、その緯度は台湾とほぼ同じです。

また雲南省は全体的に標高が高く、高山が連なります。

気候的にも似通っているようです。

 

作物はそれぞれの耕作地で適応するように品種改良が重ねられていますが、やはり原産地に近い環境ほど、その作物本来の能力が十分に引き出され、それが味にも反映するようです。

 

紅茶の一大産地として有名なインドのアッサム地方も雲南省にやや近い緯度に位置しています。

 

・高山特有の気候(特に高山茶)

一般的に標高1000m以上の場所で栽培されるものを高山茶として区分されています。

高山茶が栽培されるような場所は昼夜の寒暖の差が大きいのが特徴です。

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ここからは生物学の知識ですが、植物は日中には光合成と呼吸を行われ、夜間は呼吸が引き続き行われます。しかし気温が下がると、この呼吸の動きが鈍くなります。

つまり昼夜の寒暖差が大きいということは光合成により養分が盛んに生産され、気温が低くなる夜間は呼吸で消費される養分が抑えられることにより、植物に養分が蓄えられていきます。これがおいしさへとつながっていきます。

 

このように植物学的に台湾の高山茶栽培地は正に天賦の栽培地であると言えます。

栽培地の標高が高いほど、お茶の雑味が消え、味・香りがより豊かになります。

そんな台湾茶を味わってみてはいかがでしょうか。